2017年6月26日(月)、丸井グループの株主総会に行ってきました。
株主総会の雰囲気
出席者は150人~200人程度だと思います。
冒頭、会場を本社に変更した点、今年からお土産を廃止した点についての説明がありました。
前者はもっと株主と距離を感じずに近くで話せるように、後者は不公平感をなくすためとのことでした。
本当の理由はコスト削減ではないかと思いますが、個人的には特に悪い印象はありませんでした。
質疑応答
質疑応答は「経営全般について」「事業内容について」「その他」と分けて質問が行われました。
- Q1-1:連結損益計算書において、利益返還損失引当金繰入額が大きく発生している理由は?いつまで続くのか?
コマーシャルが増大し、返還が増えたが、この引当金で落ち着くと考えている。
法的にいつ終了というのはないが、時効は10年となっている。
(すみません、内容をよく分かっていないので語弊があるかもしれません) - Q1-2:利益返還損失引当金について、特別利益による埋め合わせはいつまで続くのか?
今回は新宿の店舗を売却したことによる特別利益だが、事業の見直しによるものであり、埋め合わせではない。
新宿は利回りが低下していたことが売却の理由。 - Q2:海外株主が3割ほどいるが、その株主とはどのようなやりとりをしているか?
定期的なミーティングを開催するなどしている。 - Q3:当期からアニメ事業を始めた経緯や、今後の方針は?
(最初を少し聞き逃してしまいましたが、来てくれなかった客層が来てくれるような内容だったと思います)
これまでは店舗における単発のイベントで終わってしまっていたが、大手とのコラボもできるようになってきた。
アニメ事業はカンフル剤のような位置付けとしていきたい。
アニメについては若い世代が多いので、そういった方に利用いただけるカードを発行していきたい。 - Q4-1:カード決済の魅力の一つに、スピード決済がある。Visa payWaveへの対応は考えているのか?
Origami Payの実験や、Apple Payの対応などを進めている。
こういったモバイル決済については動向を見て対応していく。
(回答がモバイル決済メインになっていて、ちょっとずれているように感じました) - Q4-2:エポスカードにしかない魅力とは何か?
ゴールド会員以上には、選べるポイントアップショップというポイントがお得になる枠組みを提供している。
また、永年無料のゴールドカードもエポスカードの魅力だと考えている。 - Q5-1:店舗において香りや音楽を感じるが、意識的にそのような演出をしているのか?
五感に訴えるような演出をしている。 - Q5-2:香りは個人によって好みがありそうだが、問題がないのか?
広く受け入れてもらえるような香りを使うようにしている。 - Q6:優待について、使いにくくなった印象がある。
SC型に切り替えると店舗自身が端末を持ち込むため、カードを使えなくなってしまう。
そのためにいろいろ検討した結果、現状となった。 - Q7:優待が変わったが、これによって株を購入させていただいた。
(これは質問というよりも、優待変更の支持派もいるという意見でした) - Q8:ルミネとビジネスモデルが類似しており、立地や割引などはルミネが強いように見えるが、どのような戦略を考えているか?
小売、カード、Webの三位一体が強みであり、自分たちの強みをどのように活かしていくかが重要だと考えている。
ルミネは物売りが多く、特にファッション系は50%を超えており、以前のマルイの業態に近い。
マルイはファッションも30%程度で、飲食なども含めることで広い客層を取り込もうとしている。 - Q9:(聞き逃してしまいました)
- Q10:経済について、個人の消費を増やしていく必要があると考えているが、どのようにお考えか?
その通りだと考えている。
経営効率を上げるのは社員の生産性を上げて、給料を上げていきたいと考えているため。
昨年もベアは実施し、賃上げを行っている。 - Q11-1:優待について、今後どのように考えているか?
(メモし忘れましたが、特筆すべき内容はなかったと思います) - Q11-2:株価と優待の関係について、どのように考えるか?
関係が全くないとは言い切れないが、明らかな関係はないと考えている。
所感
各質問に対して社長や役員が回答していましたが、役員の回答には社長が補足を入れているのが印象的で、経営についてのビジョンをしっかり持っているように感じました。
利益返還損失引当金は不安もありますが、それ以上に営業利益をしっかり出せているので問題ないと思います。
またルミネとの差別化についてはもう少し具体的な戦略が気になりましたが、アニメ事業などの独特な戦略が打てているのは好印象です。
マルイの小売業+カード事業のビジネスモデルは素晴らしい上、EPSやROEを高めて増配傾向にある点も評価できます。
もし1,300円ほどまで下落したら、買い増しも検討しようと思います。
余談ですが、事業報告の中で働きやすさについての話が印象に残りました。
年間残業時間が130時間(2007年)→44時間(2016年)に削減できたという話がありました。
またフルタイムで働く女性を支援したり、男性も育児休暇を94%取得したりしていて、小売業としては働きやすい環境のような印象を受けました。