2017年6月21日(水)、カカクコムの株主総会に行ってきました。
株主総会の雰囲気
出席者は200人~300人程度だと思います。
質問でサービスの在り方に対する厳しい意見も出ましたが、総会自体は特に滞りなく終了しました。
質疑応答
質疑応答はおおよそ以下のような内容でした。
- Q1:食べログにおけるレビュワー接待の問題について、ペナルティなどはないのか?
レビュワーとお店と特殊な関係にある場合は、自己申告するシステムとしている。
ただしレビュー内容はすべてチェックしており、怪しい内容は見直してもらうようになっている。 - Q2-1:食べログに掲載しているが、1,000件以上レビューを書かれている人に酷評された。対応を求めたが、かなり時間がかかった。
レストランの内容に関係ない口コミは削除しているが、関係のある内容はユーザに確認しつつ削除している。
口コミの信頼性については、ユーザ自体の信頼性からも判断できると考えている。
また、匿名性によって公平性を保つというポリシーを持っているため、今後もその方針で続けていく予定。 - Q2-2:口コミだけでなく、ページを削除して欲しいとお願いしたが、不可だった。酷いレビューを載せられ、広告費を払いつづけるのはおかしくないか?
口コミ・点数は広告を掲載するかどうかとは別の扱いであり、関係がない。 - Q3:損益計算書の子会社株式評価損が約13億6千万円、この内訳は?
フォートラベルが9億5千万円、食べログの北米版が4億1千万円となっている。
フォートラベルについてはユーザが増えているが赤字だった。しかしようやく単月黒字化ができた。
食べログの北米版についてはマーケティングを見直し、撤退した。 - Q4:退任される社外取締役から、カカクコムについてのコメントが欲しい。
日米の企業を担当しているが、株主へのリターン(ROE、自社株買いなど)は極めて高い水準。
また、社外取締役へも情報提供され意見を伺う姿勢がある。 - Q5-1:利益は多く出しているが、社会貢献活動などはしているのか?
少し受け身だが、東北や熊本の震災時には流通を促すように活動していた。
また、社員向けにはボランティア休暇を用意している。 - Q5-2:ボランティア休暇の取得率は?
正確な情報は手元にないが、若干名。 - Q6:株価が昨年に比べて倍増しているが、どう捉えているか?また、株価が下落気味だが、株式併合などはあるのか?
株主の増加は嬉しく、好意的に捉えている。
併合などは一単位の適正価格がどの程度であるべきか、考えていく。 - Q7:食べログではPC版、スマホ版、アプリ版のどれを重視していくのか?
現在のトレンドではPC版よりもスマホ版の利用者が多い。また、アプリ版の利用者も増加してきている。
利用者の動向を見て、対応を決めていきたい。 - Q8-1:(価格.comについての質問でしたが、よくわかりませんでした…)
- Q8-2:食べログのあまりにも突拍子もないレビューは弾いてほしい。どうしてもぱっと見で上位の店へ行ってしまうし、Q2-1の回答のように、個々のユーザの信頼性まで見るのは難しい。
確かに、上位の店というだけで選んでしまうのは理解できる。改善していきたい。 - Q9:お店の人の話で、「食べログからの営業の電話で点数をあげてもらう」話が聞こえてきたが、実際どうなのか?
このような事実は把握していない。
営業には自社と代理店があるが、広告代は点数に影響はしない。
Q2の方はクレームのような内容でしたが、確かに当事者であれば言いたくなる内容だろうなと感じました。
他にもQ1やQ8から口コミの影響力の大きさを実感すると共に、プラットフォーマーとしてのあり方が問われていると感じました。
お土産
とらやの羊羹をいただきました。
所感
全体としては、やはりサービスの在り方が問われ始めていると感じました。
質疑応答では、売上の伸び率が鈍化したことや株価の下落についてはあまり触れられなかったのがちょっと意外でした。
まだ売上は伸びていますしROEも素晴らしいですが、むしろ今後のサービスの在り方が大きく影響しそうな印象です。
もし株価が少し上向いたら、一旦手仕舞いも検討しようと思います。