なぜ宝くじ付き定期預金?
私はこれまで貯蓄の一部は定期預金にしていました。
しかし現在、マイナス金利の影響により定期預金の利息はほとんど期待できなくなっています。
また[8306]三菱東京UFJ銀行は、定期預金金利を0.2%上乗せする株主優待が廃止されました。
このような状況で、定期預金の代わりにできるだけ元本保証・ノーリスクの運用手段を探していたところ、宝くじ定期預金の存在を思い出しました。
そこで、宝くじ定期預金が実際にどの程度の利回りなのか、計算してみました。
宝くじ付き定期預金の利回り
[8358]スルガ銀行のジャンボ宝くじ付き定期預金、[8355]静岡銀行の宝くじ付き定期預金などがありますが、いずれもおおよその相場は1年あたり宝くじ30枚/300万円のようです。
したがって、ここではスルガ銀行や静岡銀行を例に挙げて計算します。
まず、定期預金金利は0.01%です。
これに宝くじの利回りとして、「宝くじ購入費を換算した名目利回り」と、「宝くじの当選金を換算した実質利回り」の2パターンを計算します。
宝くじの購入費を換算した名目利回り
宝くじは1枚300円です。
300万円の預金で年間30枚ですので、宝くじの購入費に換算すると300円×30枚=9,000円となります。
これを利回りに換算すると9,000円÷300万円=0.3%となります。
これに定期預金金利を加算するので、宝くじの購入費を換算した名目利回りは0.31%となります。
宝くじの当選金を換算した実質利回り
宝くじは控除率が約55%と言われていますので、当選金の期待値は購入費の約45%となります。
宝くじ購入費の名目利回りは0.3%でしたので、当選金の利回りの期待値は0.3%×0.45=0.135%となります。
しかしこれは上位の当選金によって期待値が大きく吊り上げられていますので、現実的な利回りを計算します。
6等は下1桁で当選しますので、連番10枚ごとに300円は当選することになります。
5等は下2桁で当選しますので、連番100枚ごとに3,000円は当選することになります。
6等は300万円の預金で年間30枚を連番とした場合、900円確実に当選します。
5等は300万円の預金では不確実ですが、30枚だと30%の確率で当選しますので、期待値は3,000×0.3=900円となります。
したがって、6等も5等も、利回りで計算すると900円÷300万円=0.03%となります。
また、実質利回りですので税金も考慮すると、定期預金金利は約0.008%の利回りとなります。
一方、宝くじの当選金には税金がかかりません。
以上から、当選金を換算した実質利回りは以下のようになります。
- 安定した利回り(6等のみ)を計算すると、約0.038%の利回り
- 6等と5等のみを計算すると、約0.068%の利回り
- 1等まで全体を含めると、約0.143%の利回り
まとめ
宝くじ付き定期預金の利回りについて計算しました。
宝くじの購入費を換算した名目利回りは0.31%で、現在の定期預金の利回りとしてはなかなか高い水準といえます。
宝くじを毎年買っている人は、この定期預金で代用することでメリットがありそうです。
宝くじの当選金を換算した実質利回りは、現実的な計算で約0.038%~0.068%、1等まで含めると約0.143%でした。
これはあまり高い水準ではないといえるでしょう。
例えば住信SBIネット銀行では6ヶ月~1年定期預金であれば0.2%ですので、税金を引いても約0.16%の利回りとなります。
以上の結果から、宝くじ付き定期預金は実質利回りで換算するとあまり優れていないことがわかりました。
安定的に高い利回りを求めるのであれば、ネット銀行などの定期預金の方が良さそうですね。