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奨励金を最大限に活用する、持株会による資産形成戦略

奨励金を最大限に活用する、持株会による資産形成戦略 published on

上場企業では、福利厚生の一環として持株会が提供されている会社があります。
今回は持株会を活用した投資戦略について考えてみました。

持株会の奨励金を活用した投資戦略

この戦略では、持株会においてできるだけ多くの金額を拠出することで、奨励金を利回りとして得ることを狙います。

一般に、持株会では奨励金として会社が5~10%程度の金額を上乗せして自社株を購入することができます。
中には20%以上も奨励金として上乗せしてくれる企業もあるようです。
短中期的には株価が大きく変動しないと仮定すれば、取引単位での売却を繰り返すことで奨励金を実質利回りとして得られることが期待できます。

なお、奨励金については以下のような扱いとなります。

  • 証券口座に振り替えた場合、購入価格は奨励金を含めた価格となる
  • 奨励金は所得税の課税対象となる。労働保険料には影響しないが、社会保険料の算定に影響する場合がある
    参考:http://www.romu.jp/cms_magazine/2014/09/460.html

 

奨励金によって低減される損失リスク

奨励金が上乗せされるということは、自身にとって損失のリスクが低減されるということです。
そこで、実際にどのくらい損失リスクが抑えられるのか、計算してみました。

例えば株価が300円で、30,000円拠出するとします。
この場合、奨励金によって以下の金額までは実質的に損失が出ないことになります。

  • 奨励金が5%の会社では31,500円で105株購入でき、285.7円(95.2%)までは値下がりしても損失になりません。
  • 奨励金が10%の会社では33,000円で110株購入でき、272.7円(90.9%)までは値下がりしても損失になりません。
  • 奨励金が20%の会社では36,000円で120株購入でき、250円(83.3%)までは値下がりしても損失になりません。

 

 

持株会投資における売却手法

持株会で購入した株式は、所定の証券会社に振り替えた後、売却することができます。
売却方法は主に2つありますが、いずれの場合もインサイダー取引に抵触しないことに注意が必要です。
また、特定口座でない場合は利益に応じて確定申告が必要となる点にも注意が必要です。

1. 振り替えた証券会社の口座にて、そのまま売却する

例えば野村證券が提供する持株会の場合、野村證券の口座へ振り替えることができます。
野村ネット&コールの口座へ振り替えればそのまま売却することができます。
こちらは手軽ですが、場合によっては次に紹介する方法の方が良い場合があります。

2. 振り替えた後、別の証券会社にある特定口座へ移管して売却する

1.と同様に口座へ振り替えるところまでは同じですが、その後に他社の証券口座へ移管します。
こちらの方法のメリットは、特定口座の他の取引と損益通算される点です。
移管手数料がかかるかどうかについては証券会社に確認が必要ですが、例えば野村ネット&コールであれば無料となっています。

なお、移管することで売却にかかる取引手数料が安上がりになる場合もありますが、手間に見合うかどうかは意見が分かれそうな所です。

 

持株会の投資戦略に不向きな銘柄

以下のような銘柄は、今回紹介する戦略には向きませんので注意が必要です。

株価の回復が見込めない、低下し続ける銘柄

持株会投資は、将来的に株価が低下し続けないことが前提となります。
持株会ではドルコスト平均法による買付けを行います。
ドルコスト平均法は値下がり時に多く買うことになるため、長期的に見れば株価水準が戻るだけで利益となります。
しかしいつか売却することを考えると、株価が戻らない場合はそれがそのまま損失となります。

株価の変動が大きな銘柄

株価の変動が大きい銘柄の場合は注意が必要です。
株価の変動が大きい場合は含み損になる場合も多く、利回りが安定しません。
長期的に見れば安定すると思いますが、リスクとして認識しておく必要があります。

最低購入代金が高額である銘柄

売買単位の到達に必要な金額が大きいほど、売却までに値動きの可能性が高くなるため注意が必要です。
例えば数年かかるような銘柄では景気変動の影響を避けられず、大幅な含み損となってしまう可能性があります。

 

まとめ

今回は持株会を最大限に活用した投資戦略について考察しました。
定期預金の利回りがほとんど期待できない今、損失リスクを抑えつつ奨励金の利回りが期待できるのは非常に大きいと思います。
最低購入金額などにもよりますが、特に奨励金が10%以上の会社であれば検討の余地は大きいように思われます。

「持株会の趣旨にそぐわないのでは?」という意見もありそうですが、売買が増加することで株価の流動性を高めることに繋がります。
また定期的に買い付けることで株価の安定にも貢献しますので、会社にとっても悪いことばかりではないと考えられます。

持株会の制度がある方は、ぜひやってみてはいかがでしょうか。


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