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不動産に走る地上波放送のテレビ業界

   

斜陽産業といわれる放送業界ですが、放送業界の事業について調べてみました。

斜陽産業の放送業界

インターネットが一般に普及し始めてから、テレビ業界は斜陽産業だと言われています。
テレビ番組は広告費で製作されていますが、テレビの広告費は2000年をピークに減少傾向にあります。
これはガベージニュースによくまとめられた記事があり、以下は日本の広告費のグラフを引用させていただいたものです。


(C) ガベージニュース

私はテレビの広告費は今後もインターネットの影響力拡大により、中長期的に減少傾向が続くと見ています。
インターネットの広告費はまだまだ拡大している途中である他、インターネット利用者の年齢層は若者中心ですが、年月の経過につれて年齢層が拡大していくためです。
2018年2020年2023年など色々な推測がありますが、いずれにしても市場の縮小は避けられないでしょう。
2016年3月期の中間決算では、フジテレビが営業赤字に転落した、というニュースも話題になりました。
なお、スカパーやWOWOWなどは有料チャンネルが収益源となっています。
これらの番組はお金を払ってでも見てもらえるコンテンツということであり、広告費で作成されるコンテンツに比べて競争力が高く、将来性があると考えられます。

多角化経営が進むテレビ業界

次に各社の事業の内訳を見てみます。
テレビ業界の銘柄と事業構成の内訳を表にまとめてみました。

証券コード上場市場銘柄名内訳
9401東証1部TBSホールディングス放送61(2)、映像・文化34(4)、不動産4(34) <15・3>
9404東証1部日本テレビホールディングスコンテンツビジネス96(11)、生活・健康関連2(-2)、不動産賃貸1(39)、他1(3) <15・3>
9409東証1部テレビ朝日ホールディングステレビ放送87(5)、音楽出版3(11)、他10(3) <15・3>
9413東証1部テレビ東京ホールディングス地上波放送73(2)、放送周辺15(6)、BS放送11(13)、インターネット・モバイル2(8) <15・3>
4676東証1部フジ・メディア・ホールディングス放送51(4)、制作3(5)、映像音楽9(2)、生活情報21(0)、広告6(1)、都市開発9(13)、他2(3) <15・3>
9405東証1部朝日放送放送86(5)、ハウジング13(13)、ゴルフ1(5) <15・3>
9408東証JQS新潟放送放送33(8)、情報処理サービス62(3)、建物サービス他5(4) <15・3>
9402名証1部中部日本放送放送関連91(3)、不動産関連4(37)、ゴルフ場2(3)、他3(4) <15・3>
9407福証RKB毎日放送放送66(5)、システム関連19(0)、不動産4(53)、他11(-1) <15・3>
9414東証1部BS11BSデジタル放送100 <15・8>
9412東証1部スカパーJSATホールディングス有料多チャンネル73(2)、宇宙・衛星27(33) <15・3>
4839東証1部WOWOW放送96(14)、テレマーケティング4(4) <15・3>

※内訳の内容は会社四季報ONLINEより引用
これを見ると、放送業界では多くの企業が不動産を運営していることが分かります。
特にTBSホールディングス、日本テレビホールディングス、中部日本放送、RKB毎日放送は売上高比率こそ低いものの、高い営業利益率となっています。
不動産は立地や物件が優れていれば、良好なストックビジネスになります。
「放送事業で稼げるうちに稼ぎ、その利益で不動産事業を展開する」と考えれば、将来性は決して悪くないでしょう。
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割安な銘柄

2016年2月5日時点のPERと配当利回りをまとめてみました。

証券コード上場市場銘柄PER配当利回り
9401東証1部TBSホールディングス28.410.92%
9404東証1部日本テレビホールディングス15.551.54%
9409東証1部テレビ朝日ホールディングス22.71.82%
9413東証1部テレビ東京ホールディングス13.131.68%
9402名証1部中部日本放送8.353.41%
4676東証1部フジ・メディア・ホールディングス16.712.98%
9405東証1部朝日放送13.892.52%
9408東証JQS新潟放送4.81.24%
9407福証RKB毎日放送12.791.22%
9414東証1部BS1114.511.55%
9412東証1部スカパーJSATホールディングス14.722.01%
4839東証1部WOWOW11.412.25%

PERが低いのは新潟放送と中部日本放送でしょうか。
ただし新潟放送は配当性向はあまり高くないようで利回りはイマイチです。
配当利回りが高いのは中部日本放送とフジ・メディア・ホールディングスです。
ただし中部日本放送は今期だけ例年に比べて配当が高めの予想となっており、例年はもう少し低めです。
この他、株主優待を行っている企業も多いですが、優待の利回りが高いのはBS11や朝日放送辺りですね。
BS11はビックカメラ商品券が2月と8月にそれぞれ貰えて利回りは1.82%、更に長期保有だと2.73%になります。
朝日放送は500円のクオカードが3月と9月にそれぞれ貰え、利回りは1.4%です。

 まとめ

今回は放送業界について分析しました。
テレビ業界の収益源である広告費は減少傾向にあり、市場は縮小しています。
しかし、放送業界も不動産事業などの多角化を進めている企業が多いので、一概に将来性がないとは言い切れません。
また、WOWOWのように有料チャンネルが収益源となっている企業は、コンテンツの質をキープできれば今後も一定の需要が見込めると思われます。

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