年明けの節目ということで、現在の状況を鑑みて投資戦略をまとめました。
2017年のふりかえり
2017年の予想はこちらに書きました。結果を見れば、ほとんど当たっていませんね。笑
EUの銀行は増資で乗り切れましたし、アメリカの失業率も更に下げ続けている状況にあります。
世界的な景気後退、日本の不動産バブルについてはリスクがあると思っていますが、顕在化していません。
実際に意識されたリスクといえば、北朝鮮のミサイルあたりでしょうか。
現物では[3641]パピレス、[6078]バリューHR、[3769]GMOペイメントゲートウェイ、あたりが大きく値上がりしましたので、そろそろ部分的にでも利益確定の頃合かと考えています。
投資方針としてFXをポートフォリオに組み入れることも考えていましたが、1ドル100円に到達することはなく、実際には購入するタイミングがありませんでした。
また、GMOクリック証券のCFDで米国IVをショートで持ち続ける運用を始めています。
証拠金を多めに積んでも実質利回り6%程度が見込めそうなので、景気後退までは継続してみようと思います。
2018年のポイント
現状を考え、今年もどのような点を意識すべきか、洗い出してみました。
景気循環の波
景気循環の波として、そろそろ景気後退に入る時期であることは意識しておいたほうがよさそうです。
景気循環の波は歴史的に見ても明らかに存在するものであり、念頭においておく必要があります。
2016年末時点では景気循環の山であると感じていたものの、2017年はあまり景気後退を感じませんでした。
しかしサブプライムローン問題やリーマンブラザーズの破綻、いわゆるリーマンショックから10年近く経過することを考えても、そろそろ頃合だと思っています。
現在はグローバル経済として国同士が繋がっているため、景気循環の波は世界レベルで発生すると考えてよいと思います。
特にアメリカや中国は世界経済全体に影響を与えやすいと見ています。
仮想通貨の乱高下
ビットコインなどの仮想通貨の動向にも注意が必要です。
個人的に注目し始めたのは2013年頃で、買うとしても投機にしかならないと考えていましたが、まさか数年後にここまで投機的な存在になるとは思っていませんでした。
現在はブロックチェーンやビットコインの仕組みが理解されないまま購入する人がみられ、明らかにバブルと言えます。
1~2年前は「次の金融危機は仮想通貨が発端になったりして・・・」と冗談半分に考えていましたが、現状では実際に仮想通貨による金融危機は起こりうる影響力を持っています。
直接ビットコインを投機的に運用する企業は少ないでしょうが、今の値動きでは少し間違えば大きな損失を被る状況です。
もしも大手がビットコインで大きな損失を出して倒産にでもなれば、連鎖倒産で世界同時不況ということは有り得ない話ではありません。
ただでさえ値動きが大きい中、ビットコインの先物取引も出てきていますし、特に注意が必要だと考えています。
日本の不動産バブルのリスク
昨年に書いた内容と同一です。
2018年の投資方針
今年の投資方針として、どのような銘柄に注目しているかをまとめました。
成長性のある銘柄
会社や市場の成長が見込める銘柄を意識して投資していきます。
これは景気後退に陥ったとしても、長期的に見て今以上の株価に成長してくれることを期待しています。
それに加えて、配当がなくても、長期的に高い貸株金利が続きそうな銘柄だと投資しやすいですね。
ただし東証マザーズのようなベンチャーに近い規模の会社が多く、リスクも大きめです。
投資する会社はしっかりと見極める必要があります。
株価・業績が安定している高配当銘柄
株高に伴って配当利回りは低下しており、現在では3%程度でも高配当銘柄でしょうか。
この中でも、株価があまり上昇していないもの、不景気でも業績が見込めるものが良さそうです。
ただしここ1~2年で高配当銘柄が買われており、該当する銘柄は減少しています。
特に名証で配当4%近かった[6623]愛知電機、[8071]東海エレクトロニクス、[1936]シーキューブ、[9402]中部日本放送、などは大きく値上がりしてしまいました。
この根本原因は低金利であり、貯蓄から投資への動きが促されている他、低金利で借りたお金が株式市場に流入していると見ています。
不景気に強い銘柄
景気後退の可能性を意識し、不景気でも安定的に利益を生み出せる銘柄に注目しています。
これは2008年~2013年頃の業績を見ると判断しやすいです。
他にはフロービジネスよりもストックビジネスの銘柄を意識したり、BtoB向けのプラットフォームを意識するといったところでしょうか。
仮想通貨の購入
これはどちらかといえば、利益よりも「仮想通貨」という業界に投資するというイメージですね。
特にモナーコインは日本発なので注目していますが、上がってしまいました・・・。
手軽に取引可能になったり、大きく暴落すればぜひ購入したいですね。
ビットコインについてはやや消極的ですが、金のような位置づけでビットコインを購入する可能性があります。
個人的には金にも結構リスクがあると思っていて、例えば以下のようなことを考えています。
- ETFでは、本当に金が適切に保管されていない可能性
- 金の実際の埋蔵量は、予想よりも多い可能性
- 放射性崩壊で金を作るコストが下がれば、金の希少価値がなくなる可能性
ビットコインは数量が有限で、送金速度の面から決済には不向きでありながら、世界的に価値があると信じられています。
これは金の特性と類似しており、あとはどのようなリスクを許容できるかという点でビットコインとの使い分けになりそうです。
現在の注目銘柄
投資方針に基づく銘柄の中でも、ここ数日に投資・買い増しした銘柄をまとめておきます。
いずれも原則、最低1年以上の長期保有を想定しています。
[4762] エックスネット
2008年~2013年はリーマンショックや東日本大震災などをはじめ、全体的に不景気で業績の悪い企業が多くありました。
そんな中、2008年~2018年のエックスネットは以下のような特徴があります。
- 毎年、安定した業績
- 極めて安定した株価、現在でも割高感なし
- 配当利回り3%程度、長期的な安定配当
2013年以降は大半の銘柄が値上がりした中、エックスネットは安定した株価を保っています。
2015年~2016年にかけて少し値上がりしていますが、これは株式分割による影響だと考えています。
したがって景気が持続すれば株価が上ブレする可能性に期待できる一方、不景気時における株価の底も見えているという安心感があります。
これだけでも十分な内容ですが、無借金経営、更にNTTデータグループであるという、安定した財務基盤も持っています。
配当利回りは元々4%程度、今でも3%程度あり、全体的に株高となっている現在の利回りとしては十分でしょう。
[9437] NTTドコモ
MVNOの普及、楽天の通信キャリア参入などもあり、長期的に見れば通信事業自体はリスクがあります。
しかし現在の日本を見るに、キャリアの手厚いサポートを求めるユーザは多いですし、楽天も基地局整備に時間を要するなど、当面は安定的な収益が見込めると考えています。
また、ドコモは動画見放題サービスや共通ポイントサービス(dポイント)など、スマートライフという事業領域を拡大しています。
これらは売上比率としてはまだ大きくないものの着実に営業利益を拡大しており、通信キャリアという顧客基盤を有効活用できているため、将来的にも問題ないと考えています。
近年は配当性向を引き上げており、配当利回りは3.7%程度となっています。
財務も良好、NTTグループであることなどを考慮し、投資する価値はあると判断しました。
[2391] プラネット
日用品の小売店・メーカー向けDBやEDIを扱っている企業です。
EDIは利用が多いほど収益に繋がりますが、以下のような点から安定した収益性と継続性が見込まれます。
- 多数の日用品メーカーが出資しており、今後も安定的な利用に期待
- 2008年以降の10年間、安定した業績
- 日用品業界は元々、景気に左右されにくい
これらに加えてデータの重要性がどんどん増している点は追い風ですし、無借金経営の安心感もあります。
2013年以降に大きく値上がりしていますが、現在でも配当利回りは2%程度あります。
下落したら更に買い増ししたいと考えています。
[3966] ユーザベース
NewsPicksという経済系メディア・SNSや、企業や業界の情報収集・分析ツールSPEEDAなどを運営しています。
NewsPicksは最近急速に利用が拡大している印象がありますし、ストックビジネスやリクルーティングなどに結び付けて、収益化も素晴らしいと感じました。
売上の成長率や事業拡大の方針にも好感が持てますし、ダウ・ジョーンズ社との合弁会社設立なども今後に期待できる要因です。
また経営陣は徹底した成果主義と、自由な働き方を目指しており、これらもこの会社を投資で応援しようと思った一因ですね。
[6172] メタップス
メタップスは、個人の時間を取引できる、タイムバンクのコンセプトが面白いので応援しています。
長期的なトレンドの一つに、組織や肩書きではなく個人個人が評価される時代になってきていることが挙げられますが、このトレンドに沿ったサービスだと思います。
また、社長である佐藤航陽氏の著書『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』は好評ですし、共感できる部分があります。
利益はまだまだこれからと言ったところで配当はありませんが、最近は貸株で10%程度の金利が付いています。
[3692] FFRI
セキュリティの脆弱性対策ソフトウェアを提供している会社です。
ウィルスバスターのようなウィルス対策ソフトは優れたストックビジネスではあるものの、コモディティ化が進んでいますし、根本的なセキュリティの脆弱性対策ではないため、今後重要性が下がっていくと考えています。
この点、FFRIは脆弱性発見のためのソフトウェアを提供している点に好感が持てます。
技術力には強みのある会社ですので競争優位性も高く、何かしら収益化していくと考えています。
上場時に保有したかった銘柄でしたが、一時はセキュリティのニュースや株式分割もあり、かなりの割高感がありました。
現在は株価も安定してきたため、投資し始めています。
利益はまだこれからですが、長期的に10%前後の貸株金利が付いていますし、気長に応援したいと思います。