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資産形成のためのポートフォリオ設計と、そのためのETF9選

   

ETFで資産形成するためのポートフォリオを組みたいと思ったので、方針を決めてETF銘柄をピックアップしてみました。

資産運用のポートフォリオを考え始めたきっかけ

考え始めたきっかけは、大きく2つあります。

一つは、自身で資産運用をする必要性を実感し始めたことです。
私の会社は企業型DC(確定拠出年金)を採用していますが、私自身は退職金前払い制度を選択しています。
これは自身の資産をロックインされないようにするための選択ですが、代わりに将来の年金は自分でなんとかする必要があります。
今までは余剰資金を中心に個別銘柄中心の投資を行ってきましたが、年金となると余剰資金ではなくなるため、リスクを抑える必要があります。

もう一つは、資産の一部を守り重視にシフトさせようと考えたことです。
長期投資において重要なことは資産を大きく減らさないことだと理解しています。
資産が増えれば増えるほど好不況の影響を受けやすくなり、資産を守ることを意識すると投資しづらくなります。
特に最近では新型コロナの影響で先が見えづらくなっていますが、こういった環境下でもドルコスト平均法やリバランスを使って、パッシブ型の運用ができるようにしたいと考えました。
加えて、今後は日本円が暴落していく可能性もゼロではないので、そのためには海外資産を持つことは合理性があると考えました。

ポートフォリオを組むための方針と、ETFの選定基準

資産運用の方針・戦略

資産運用を行う上では、方針・戦略として以下の前提を置きます。

  1. 長期保有で、資産形成と不労所得
  2. 保有比率は国内:海外=3:7
  3. ドルコスト平均法、リバランスなど、パッシブ的な運用
  4. 上場ETF(容易に取引ができ、資産がロックインされないこと)

海外比率を高めに設定しているのは、日本の市場が縮小していくリスクを考慮したものです。
また、そもそも私自身は国内の個別銘柄は数多く保有しているため、国内株式は少なめにしたほうが資産のバランスが取れるということもあります。

具体的な資産の比率としては以下を想定しており、この比率が崩れる度にリバランスを行うことを想定しています。

  • 国内株式:10%
  • 国内REIT:20%
  • 海外株式:30%
  • 海外REIT:20%
  • 海外債券:20%

ポートフォリオに組み入れるETFの選定基準

ポートフォリオに組み入れるETFは、以下の基準で選定しました。

  1. 信託報酬が安いこと
  2. 為替ヘッジがないこと
  3. 分配金を重視

信託報酬は長期的なパフォーマンスに直結するため、少しでも抑えることを意識します。
また日本円のインフレリスクを考慮することと、長期的にヘッジコストをかけ続けることはマイナスになることから、為替ヘッジなしの商品を選んでいます。
分配金はないほうがパフォーマンスが高いかもしれませんが、分配金があったほうが年間の不労所得が計算しやすく、将来を計画しやすいのでありにしました。

ETF銘柄9選

前述の選定基準を元に、9つのETFをピックアップしました。

今回ポートフォリオを組むためにピックアップした銘柄は、以下の通り。
どの商品も為替ヘッジはありません。
利回りは2020/03/29時点で計算しています。

コードETFの銘柄名地域種別信託報酬利回り参考
1698上場インデックスファンド日本高配当(東証配当フォーカス100)国内株式0.28%3.89%公式
1660MAXIS 高利回りJリート上場投信国内REIT0.25%4.98%公式
1557SPDR S&P500 ETF海外(アメリカ)株式0.0945%2.11%公式
東証
1658iシェアーズ・コア MSCI 新興国株 ETF海外(新興国)株式0.23%3.97%公式
2513NEXT FUNDS 外国株式・MSCI-KOKUSAI指数連動型上場投信
(為替ヘッジなし)
海外(先進国)株式0.17%1.45%公式
1555上場インデックスファンド豪州リート(S&P/ASX200 A-REIT)海外(豪州)REIT0.45%5.85%公式
2515NEXT FUNDS 外国REIT・S&P先進国REIT指数連動型上場投信
(除く日本・為替ヘッジなし)
海外(先進国)REIT0.17%4.53%公式
2511NEXT FUNDS 外国債券・FTSE世界国債インデックス連動型上場投信
(除く日本・為替ヘッジなし)
海外(先進国中心)国債0.12%1.64%公式
1677上場インデックスファンド海外債券(FTSE WGBI)毎月分配型海外(先進国中心)国債0.25%2.79%公式

ちなみに、最近ETFを探すときは高分配金ETF(東証):利回りランキングというサイトをよく使わせていただいています。(載っていないものもあるので注意)

国内株式

国内銘柄は1つだけです。

正直、国内株式は個別銘柄で投資しているので、資産運用のETFに組み入れる理由は薄いです。
その中でもあえて選ぶなら…といったところでしょうか。
あまり強いこだわりがあって選んだわけではないので、1577(NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信)1489(NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信)でもよいと思います。

1698:上場インデックスファンド日本高配当(東証配当フォーカス100)

高配当の100銘柄に分散投資している国内株式ETF。
ちょっと気になるのは、いわゆる斜陽産業や未来の明るくないと感じる業界の銘柄も多く組み入れられている点です。
具体的には、今後も規制が強まりそうな酒・タバコ関係の銘柄や、市場が縮小しているカメラ・プリンタ系のメーカー辺りでしょうか。
また、組み入れられている銘柄の業界にもやや偏りが感じられます。(自動車、通信業界、商社、金融など)
とはいえ、今の日本においてこれらの銘柄が日本経済を牽引しているのも事実だと思います。

既に日本の個別銘柄に投資しているのであれば、資産運用のポートフォリオからはいっそ外してしまうのも一案です。

国内REIT

国内の不動産も、長期的には価格が下落していく可能性が高いと思いますが、一定の比率で投資するのが良いと考えました。
選んだのは高利回りのリートETF一つのみです。

1660:MAXIS 高利回りJリート上場投信

このETFを選んだ理由は、高利回りであるという一点のみです。
リーマンショックの際にはREITも破綻した事例があるため、ETFによる分散投資のメリットはあると考えています。
REITのETFは個別に比べて利回りが低く感じられますが、その中でも利回りが高いこのETFを組み入れることにしました。

海外株式

海外株式は悩みましたが、アメリカ、新興国、先進国の3つを選びました。

1557:SPDR S&P500 ETF

アメリカの株式インデックスです。
積立投資では最近よく耳にする銘柄で、これだけやっていればOKという人さえいます。
ここ10年間で3倍程度の株価になっており、積立投資だけでも高いパフォーマンスになっているはずです。
特筆すべきは**ETFの中でも圧倒的に低い信託報酬で、たったの0.0945%**しかありません。

ここ最近は上がりっぱなしだったので買いどころが難しかったですが、新型コロナの影響で一段落しました。
アメリカの成長神話がいつまで続くかは不明ですが、ドルコスト平均法で少しずつ買い増し、調整局面ではさらに追加で買い増しする方針で考えています。

1658:iシェアーズ・コア MSCI 新興国株 ETF

新興国の株式です。
まだ始まったばかりのETFですが、直近の分配金を見るとすごく利回りが良いように見えます。

新興国にはこれから大きく伸びていく企業が数多くあると思われることから、組み入れておく価値は大きいと考えました。
新興国は為替ヘッジがあったほうが良さそうな気もしますが、こちらも為替ヘッジなしで統一しています。

2513:NEXT FUNDS 外国株式・MSCI-KOKUSAI指数連動型上場投信

先進国の株式です。
ポートフォリオのバランス的に必要だと思ったので入れてますが、分配金利回りが低いのがちょっと気になりますね。
まだ始まったばかりのETFなので何とも言えませんが、利回りを追求したい人は外してもよいかもしれません。

海外REIT

海外REITは先進国中心と、オーストラリアのREIT ETFを選びました。
他にも1495(上場インデックスファンドアジアリート)1659(iシェアーズ 米国リート ETF)がありますが、前者は信託報酬が0.70%と非常に高いこと、後者は投資先の分散や信託報酬・利回りを考慮し、ポートフォリオから外しました。

1555:上場インデックスファンド豪州リート(S&P/ASX200 A-REIT)

オーストラリアのREIT ETFです。
信託報酬がやや高めなのは気になりますが、上場してから約9年間、分配金も安定しているため安心して保有できると判断しました。

ここ最近は豪ドル円の急落や、新型コロナによる相場への影響で、株価が数ヶ月前の半分程度に下落しました。
実際には額面ほどの利回りは出ないと思いますが、現在は割安水準になっていると思います。

2515:NEXT FUNDS 外国REIT・S&P先進国REIT指数連動型上場投信

先進国中心のREIT ETFです。
謳い文句は先進国となってはいますが、2020年3月時点の比率を見ると、投資先の73%がアメリカになっています。
ですので、実際にはアメリカ中心で多少リスクヘッジしている、と捉えるのがよいと思います。

歴史はまだ長くありませんが、信託報酬は安く抑えられており、利回りもなかなか高めです。

海外債券

海外債券は、世界の先進国を中心にしました。
新興国の債券は圧倒的に高い利回り(5〜6%)なのですが、金融危機の際にリスクが大きいと判断し、ポートフォリオから外しました。

債券は好不況により影響を受けづらく、利回りも安定しています。
最近は世界的に金利が低下傾向にありますが、組み入れる価値はあると判断しました。

私は海外債権として20%のうち、1677を多めに、2511を少なめに配分しています。

1677:上場インデックスファンド海外債券(FTSE WGBI)毎月分配型

2511と同等の商品であるため、どちらを選ぶかは好みになります。
こちらのETFの長所としては、運用の歴史が長く信頼できる事、2511に比べると現時点では分配金の利回りが高いこと、毎月分配であることが挙げられます。
短所としては、信託報酬が高めであること、投資単位が大きいこと(1単位50万円程度)、流動性が低いことなどが挙げられます。

分配金利回りが高いのは魅力的ですが、これは過去に購入した金利の高い債券を保有しているためであり、一時的なものと予想されます。
今後は金利の低い債券比率が高まっていくと予想され、信託報酬も考慮すると、2511の方が分配金利回りが上回っていく可能性も否定できません。

2511:NEXT FUNDS 外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替

1677と同等の商品であるため、どちらを選ぶかは好みになります。
こちらのETFの長所としては、信託報酬が安めであること、投資単位が小さいこと(1単位10万円程度)などが挙げられます。
短所としては、利回りが低いことでしょうか。

1677と同等な商品のはずなのですが、現時点では利回りが低いのがちょっと気になります。
理論上、長期的にはこちらのほうが高い利回りになっていくはずなので、利回りの様子を見て1677からこちらに移していくのも良さそうだと思っています。

まとめ

というわけで、パッシブ的な資産運用がしたい人にオススメな銘柄をピックアップしました。
あとは資産バランスが崩れないように定期的に買い増ししたりリバランスするだけで、自動的に資産形成ができます。

しばらくはこれで様子を見つつ、折を見てETFを入れ替えていこうと思います。

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