パピレスは電子書籍販売事業のみを展開している会社です。
今回はパピレスについて分析してみました。
電子書籍の特長を活かした配信サービス
パピレスが展開している事業は電子書籍販売のみです。
しかしその分だけ力を入れており、様々なコンセプトの電子書籍販売を展開しています。
Renta!では電子書籍レンタルサービスを展開しており、お手頃な価格で読めるようになっています。
古本書店や漫画喫茶に比べて時間も手間も手軽なので、これらのユーザ層も取り込めそうです。
犬耳書店(旧:パピレスプラス)では、本を章別に分けて販売しています。
もちろん本一冊を買うよりは章単位の方が割高ですが、本の一部だけを読みたいというユーザにとっては嬉しいでしょう。
これは紙書籍では現実的ではなく、電子書籍ならではの強みを活かしたコンセプトとも言えます。
急速に拡大する電子書籍市場
2013年~2016年の業績と、2017年の期末予想をまとめると以下のようになります。単位は百万円です。
2013年3月期 | 2014年3月期 | 2015年3月期 | 2016年3月期 | 2017年3月期予想 | |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 5,578 | 6,921 | 8,424 | 10,452 | 14,087 |
営業利益 | 442 | 660 | 527 | 1,019 | 1,395 |
経常利益 | 497 | 700 | 560 | 999 | 1,337 |
純利益 | 313 | 434 | 355 | 651 | 913 |
これを見ると売上高は毎年20%以上伸びている計算になり、電子書籍が普及段階にあることが分かります。
今後も電子書籍市場は拡大する余地が残されていますので、業績には期待できそうです。
ちなみに2017年3月期の予想は、中間決算の実績に基づき上方修正されています。
中間は売上高6,715百万円、営業利益791百万円、経常利益722百万円、純利益486百万円ですので、順当に行けば予想には到達できるでしょう。
2017年の純利益が達成されれば1株益は186.22円になります。
現在の配当予想は1株7.5円、2016年11月16日時点の株価での利回りは0.17%となっています。
今は先行投資を優先して欲しいですが、その後の配当性向の引き上げにも期待したいですね。
ちなみに2017年3月期中間時点で有利子負債は0、キャッシュフローは現金48億円と、財務面も盤石ですので、先行投資にも余裕がありそうです。
単独事業ゆえの株価急上昇
電子書籍事業を展開している会社はパピレスに限らず、電子書籍市場の成長により業績が伸びている会社が多いです。
しかし中でもパピレスは電子書籍販売の単独事業のため業績の伸び率が大きく、その結果株価も大きく上昇しています。
2015年8月始めには2,000円前後でしたが、株価上昇と株式分割の結果、2016年11月16日現在の終値で4,455円となっています。
これは1:2に株式分割されたことを考慮すれば、4倍以上の値上がりとなっています。
この株価が続くようであれば、更なる株式分割にも期待できるかもしれません。
株主優待は電子書籍レンタルサービス
電子書籍レンタルサイトRenta!で使用できるチケット100枚分(10,800円相当)のギフトコードが貰えます。
2015年3月は1,080円分でしたが、2016年3月から10倍の10,800円分になりました。
現在株価はかなり上がってしまっていますが、2016年11月16日の株価水準でも一応2.42%の利回りです。
電子書籍は原価が低いので、これは会社にも株主にも優しい株主優待ですね。
まとめ
パピレスの銘柄について分析しました。
サービスは電子書籍の特長を活かした販売に特化しており、電子書籍市場の成長と共に業績を大きく伸ばしています。
他の電子書籍銘柄に比べると、単独事業であるからこそ株価の大きな上昇が見込めそうです。
株価は大きく上がってしまっていますが、株主優待の利回りは悪くないので、それを目当てに100株買うのも悪くないでしょう。