2019年12月15日(日)、GMOペイメントゲートウェイの株主総会に行ってきました。
これまでは質疑応答など内容の網羅性を重視していましたが、今後は収穫と感じられた内容にフォーカスして記載することにします。
質疑応答
LINEやZOZOがZホールディングス傘下になった影響について
お互いの株価にも影響するので個別回答は控えたい。
ただ、GMOペイメントゲートウェイとしては営業利益に影響しないようにしたい。
後払いとツケ払いについて
後払いとツケ払いは別物で、ツケ払いはZOZO向けに開発したサービス。
支払期日についても、後払いは2週間以内、ツケ払いは2ヶ月以内という違いがある。
ツケ払いは元々は6ヶ月にしたいという先方の意向があったが、割販法により2ヶ月しか実現できなかった。
事業説明会
総会後に事業説明会が開催されました。 決算説明資料の内容に沿ったものでした。
特に印象に残ったのは以下の点です。
- 基本方針として、毎年営業利益25%成長を目指している
- 政府によるキャッシュレスの推進などもあって、最近は大企業とも話が進むようになってきた
- ○○ペイは現在30ほどあり、GMOペイメントゲートウェイはそのうち半分ほどに関わっている
- GMOペイメントゲートウェイの資本調達コストは5%。なので年利3%の仕事はしてはいけない
- サヤ取りのフィンテック事業は日本では通用しない低金利ではスプレッド事業をやってもだめ。ファクタリングが重要
- 大手金融機関は今、低金利の影響で経費削減に追われている。そういった会社向けに低コストでサービスを実現する。
- 当面は需要の高いレンディング事業を伸ばしていく。
- 高値掴みは絶対にしないと決めている。高値掴みとはすなわちバブル。いずれはフェアバリューへ回帰する。
- 採用活動をやっていると世相がわかる。どこの業界から人が流出し、衰退していくのかがわかる。
(毎月10人中途採用しているが、そのために300人ほど面接するとのこと)
また資料にも書かれている内容ですが、印象に残った箇所を以下にメモします。
営業利益と経営目標
- 2005年:2億円
- 2010年:10億円
- 2015年:30億円
- 2020年:100億円
- 2025年:250億円
経営要件
今後は、数十億園規模のビジネスを事業化し続けることが必要となる。
- 大きなインダストリーに対する決済プラットフォームの形成
- グローバルメジャープレーヤーへのサービス形成
- FinTech領域におけるイノベーション
- キャッシュレス領域におけるイノベーション
- 大手金融機関の次世代プラットフォーム構築への密接な関与、サービス提供
施策
- ユーティリティ業界(景気に左右されないような業界)のプラットフォーム形成
- 通信業界のプラットフォーム形成
- グローバル大手へのサービス提供
- BtoB決済事業の拡大
- SMCC・VISAとの次世代決済プラットフォーム
- BtoBファクタリングサービスの拡大
- 金融機関に対する多角的サービス展開
- グローバル市場での決済サービス及びレンディング
注力市場
- 広義のEC:物販だけでなく、公共料金の支払などの月次支払
- FinTech:後払い、ファクタリング、国内外のレンディング拡大
- キャッシュレス:金融機関向けのプラットフォームをデファクト化する
- IoT:無人決済市場の開拓
- グローバル:各国トップFinTechとの提携、拠点設立によるレンディングアセットの拡大
所感
GMOペイメントゲートウェイの総会は初めてでしたが、とても有益な総会でした。
社長の基本的な考え方を理解できたこと、業界について勉強になったことが収穫でした。
事業領域に対する社長の理解はもちろん、経営方針や戦略がしっかり考えられているように感じました。
「毎年、営業利益を毎年25%増やす」という基本方針は理解できますが、何よりそれを達成し続けていることが凄いと感じました。
もちろん市場規模の限界は超えられないので、いつかはその壁に阻まれる日が来ると思いますが、どこまでこの成長を継続できるのか、とても楽しみです。
ただ、株主総会の最後に新卒の人を紹介する場があり、これは時代的にイマイチかなぁ…という印象を受けました。
具体的には「なぜ中途はなく新卒だけ?」「このためだけに休日を消費させなくても」など、いろんな思いが湧きました。
個人的には止めていただけると嬉しいなぁと思っています。
社長からはすごくワンマンで体育会系な印象(これ自体は悪いわけではない)を受けましたが、ラグビーをやっていたようで納得。
ただ体育会系ながらも精神論などの話はほとんどなく、データをすごく重視していたり、金融業界に対する知識が深かったり、自分なりの意見や戦略を強く持っているのがとても興味深かったです。
総じて、さらなる活躍を応援したいと感じました。
割高なので買い増しする勇気はありませんが、ホールドして今後も成長を見守りたいと思います。