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[2428] ウェルネット 2017年6月期株主総会

[2428] ウェルネット 2017年6月期株主総会 published on

2017年9月27日に開催された株主総会に行ってきました。

株主総会の雰囲気

経営報告会の後に株主総会が開催され、経営報告会には50人程度、株主総会には100人程度が出席していました。
経営報告会でも質疑応答の時間が多少ありましたが、あまり時間は多くありませんでした。
大きく利益が減少した先期決算でしたが、厳しい質問はあったものの、雰囲気自体は終始穏やかでした。

経営報告会

今年は最初から出席することができました。
基本的にはウェルネットの2017年6月期決算説明会資料に沿った内容での説明でした。

個人的に、特に印象に残った箇所を列挙します。

  • コンビニ決済の市場 動向について
    • コンビニが寡占化することで、マーケットが広がりにくくなっている
    • 初期にコンビニ決済で提携した所(一緒にリスクを負った所)は仕入れが高く、後から導入した所は仕入れが低い
    • 前者のコンビニに収斂してきている
  • ITやECの本質は中間流通を飛ばすこと。時間と場所の制約をなくすこと
  • 電子マネーについて
    • ウェルネットはサーバ型の電子マネーに注力していく。これはICカードなどのデバイスが不要であるため
    • ウェルネットの強みは、多くの大手企業とシステムを接続していること
    • システム投資に消極的な地方銀行などに対し、最新の技術やサービスを固定費無しで、変動費で提供していきたい
    • 後追いベンチャーへの対策としては、イールドマネジメントを考えている。ウェルネットと取引することで利益を大きくできるように
  • バスもりコンシェルジュについて
    • 定期を売れば、使ってもらえるようになるはず
    • 若年層に普及すれば、長く使ってもらえる
  • 支払秘書について
    • 収益は、アプリの配布数×決済金額
    • 提携先でもアプリを配布してもらう。アプリは配布した会社が分かるようになっており、あらゆる決済においてその会社へレベニューシェアが発生する
    • 提携する事業者を獲得した場合にも、レベニューシェアが発生するようにしている
    • スマートメーターが普及すれば検針訪問が不要になり、ペーパーレス対応も不可欠となる
    • 銀行が気にするのはコストとセキュリティ
    • 引き落としはカードよりもローコストなメリットが有る
  • 予想を非開示としているのは、プロモーションや支払秘書でどうなるか分からず、でマーケットを混乱させたくないから。

最初にコンビニ決済で提携した所は仕入れが高いなど、そういった裏話が聞けたのは面白かったです。
また、支払秘書においてはレベニューシェアを発生させるなどプラットフォームビジネスになっており、感心してしまいました。

文章にすると大したことなさそうな内容になってしまいますが、個人的には直接話を聞けてとても面白かったです。

質疑応答

聞き逃してしまった内容もありますが、質疑応答のメモをまとめました。
Q1とQ2は経営報告会での質疑応答で、Q2とQ9の質問者は同一です。

  • Q1-1:長期的に安心して投資できるような内容を話してほしい
    収納代行は、サークルKサンクスがファミリーマートに切り替わったことが影響を受けている。
    価格対応が行われたタイミングについては、四半期決算を見ていただければ分かる。
  • Q1-2:仮想通貨について
    bitflyerは当社のお客さんなので、マルチペイメントを使ってもらっている。
  • Q1-3:支払秘書の状況について、数字を出していってはどうか?
    機関投資家にも同じことを言われている。折を見て開示していく。
  • Q2-1:バスもりコンシェルジュはどのくらい使われているのか?
    決済金額としては、まだ1%~2%もないと考えている。
  • Q2-2:支払秘書のダウンロード数やトランザクション数などは?
    ダウンロード数は2,000程度。
  • Q2-3:支払秘書などについて、OEM供給するのはどうか?
    そういう声はある。
    エスケープルートとしてそのような案も考えていないわけではないが、今は「一緒にやりましょう」と声をかけている。
  • Q2-4:LINEやヤフーマネーと同じ仕組みではないか?
    その通り。ただしレベニューシェアが強み。
    今後、提携先を拡大していく。
  • Q3:役員が大幅に変更になるが、大丈夫なのか?
    意思決定の透明性のために社外取締役を増やした。
    また先行投資とはいえ利益は低下しているため、経営コストを下げる意味も込めている。
  • Q4-1:招集ご通知に事業毎の収益性などが書かれておらず、わかりにくい。
    分かりやすく書いたつもりだったが、このような意見があるということは受け止めたい。
    手元のアンケートにぜひ意見を書いていって欲しい。
  • Q4-2:なぜ常勤を社外取締役に?
    今まで社外取締役をやってもらっていたが、これから常勤となる。
  • Q5-1:ビジネスモデルやコンセプトは素晴らしいと思っているが、アプリの使い勝手がよくない。
    Webでの意見などを元に、改善していきたい。
  • Q5-2:社員にも還元し、勤続年数を向上させてほしい。
    ここ数年、新入社員を多く採用しているため勤続年数や年収が低下している。
    ただし辞める社員がいるのも事実なので、ケアは考えている。
    札幌に作った保育園は6,500万円かけている他、メンタルケア、残業時間を減らすなどの対応をしている。
  • Q6-1:2号議案について。監査役会よりも監査等委員会にしたのはなぜか?馴れ合いにしかならないのでは?
    きちんと議論して決めている。
    従来もガバナンスは十分に効いていたと考えているし、新任を2名追加している。
  • Q6-2:4号議案の安藤さんは、会社との関わりが書いていないが?
    日本政策投資銀行出身の方で、日本政策投資銀行は一時期の主要株主。
    社長会に入っており、バス会社や鉄道会社の社長もいるため、ビジネスにおいて有益。
  • Q7-1:支払秘書のユーザのメリットは?
    支払秘書は紙ベースでの支払をターゲットにしている。
    紙ベースは銀行引き落としやクレジットカードに比べると、支払日が固定ではないという点でユーザがメリットを感じている。
    また、将来的にはアプリが支払計画を立ててくれるようにしたいと考えている。
  • Q7-2:8号議案について、業績が悪くなった場合はどうなるのか?
    この議案については説明が足りなかったと反省している。
    この議案は報酬の一部を株式として支給するというもので、Restricted Stock Optionという。
    一時期、退職慰労金が問題となり、数年前にストックオプション1円が流行った。
    しかしストックオプション1円は計算してもらうのに結構なコストがかかるため、報酬の一部を株式として支給する方がコストダウンとなる。
    ちなみに、社長自身にとっても前の制度のほうが有利ではある。
  • Q8-1:支払秘書について使ってみたが、正直「これって要るの?」と思った
    ダウンロードは2,000超、支払は200人超。
    まだいろいろな機能はあり、ターゲットを広げていきたい。プロモーションも行っていく。
  • Q8-2:来年の予想もできない会社の中期計画は、信じられないのでは?
    マーケットを混乱させたくないため、非開示としている。
    プロモーションコストが未定であるし、支払秘書のブレイク具合も分からない。
    来期以降はまだ何も決めていない。
  • Q9-1:学生にプロモーションでアピールできるのか?
    大学学食のトレー、ダンス部の制服、文化祭などいろいろ考えている。
    また、ラジオはバス会社にウケがよい。
  • Q9-2:アプリの名前やマスコットなどが馴染みにくい、あまりセンスが感じられない
    社員のアイデアでこれを採用したので、これを使っていく。
  • Q10-1:利益は変動するかもしれないが、売上はどのような見込みか?
    非開示なので申し上げることはできない。
    ただし4Qや1Qを見ると傾向がわかるので、推測していただきたい。
  • Q10-2:配当をコミットではなく、業績をコミットして欲しい
    意見として受け止めたい。
  • Q11:取締役の5,000万などの報酬は何人?
    取締役は社内が2人、社外が3人の計5人。
    詳細は有価証券報告書で見ることができる。
    来期については第1回の取締役会で決めるので、まだ答えられない。

所感

個人的にウェルネットに対する印象は悪くなりつつあったのですが、経営報告会を聴いた後の印象はガラッと変わりました。
社長の方はマーケットをよく見ていて現場感覚もあり、ビジネスモデルや戦略を考えていると感じました。
自社の強みを把握すると共にどのように活かし、どのように売り込み、ベンチャーにはどのような対策を講じるかまで、すべて自分の言葉で話していたように感じられましたし、考え方やポリシーも非常にしっかりしていると感じました。
いろんな株主総会へ行っても定型文のような言葉で話す社長が多い中、これは非常に印象的で、やはり創業者というのは会社を引き継いだ人とは違うのだな、と実感させられました。
バスもりコンシェルジュ、支払秘書などは大きな売上には至っていませんが、着眼点やビジネスモデルは面白いですし、ニッチなマーケットをしっかりとターゲットしていると思います。

業績予想が非開示だったのは「市場を混乱させたくないため」だったことは知りませんでしたが、株価が低迷している一因となっている気がします。
実際に新規事業がどの程度実を結ぶかは懸念ではありますが、当面はコンビニ決済が支えてくれるかな、と考えています。
どちらかといえば、役員が大幅に変わったことや、以前に技術的なシステム障害が発生したことなど、そういった辺りを懸念しています。
この辺りについては好印象だった社長さんを素直に信じるしかありませんね。

今後のウェルネットへの投資について、経営報告会・株主総会に出席する前は、当面買い増しせず様子見しようと思っていました。
しかし経営報告会が予想以上に面白く、戦略やビジネスモデルについて勉強になる話を聞かせていただいたので、そのお礼だと思って買い増ししてしまいました。(笑)
今後も気長に、期待しすぎず見守っていこうと思っています。


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