2017年12月22日(金)、ジョルダンの株主総会に行ってきました。
株主総会の雰囲気
出席者は20~30人程度で、昨年同様に小規模でした。
特に問題なく進行し、株主総会での質問は全くありませんでした。
総会後には続けて経営近況報告会が開催されました。
経営近況報告会
資料は公式サイトに上がっています。
経営近況報告会(2017年12月)
個人的に興味深かったのは以下の内容です。
- 乗換案内の有料会員についてはトータルでマイナスとなっているが、その内訳は「ガラケーユーザの解約数>スマホユーザの加入数」
- インバウンド向けに多言語対応中、オリンピックを目指す
- バスの対応率が強みで、主要路線は残り40社程度。
- 自治体向けに、歩くとポイントを貰えるサービス
- kiwi playerの量産試作が完了し、2018年8月発売予定
ちなみに経営近況報告会の前には、ヒューマノイドロボットNAOを使ったデモ(?)も行われていて、面白かったです。
経営近況報告会 質疑応答メモ
株主総会では質疑応答が全くありませんでしたが、経営近況報告会では質問多数でした。
- Q1:乗換案内の市場は、業界としてどうなっていくと考えているか?(例えば拡大・縮小など)
みんなが使っているツールであり、なくなることはないと考えている。
タクシー(Uber)や自動運転などの背景も考えると、今後は移動に関するプラットフォームになっていくのではないか。 - Q2-1:岐阜と沖縄のバスのカバー率が40%以下である理由は?
カバーするには、路線バス会社との話し合いが必要。
沖縄は現時点で話が付いている。岐阜は現状を回答できる状況にないが、攻略していきたいと考えている。 - Q2-2:バス専用の乗換案内(例えばシルバーパス向け)などはどうか?
もちろん検討課題に入っており、準備していきたいと考えている。 - Q3-1:盲腸線(鉄道が途中で途切れている路線)をつなぐ路線バスがあると旅がしやすいと思うが、どのように考えているか?
バスの網羅はまさしくやりたいと考えているが、どうしても大きい路線が優先となってしまっている。 - Q3-2:「同じルートなら○○パスを買う方がお得ですよ」みたいな案内を出したほうが良いのでは?
それもやらなければいけないと考えている。
Q3-3の話にも言えることだが、検索結果にはバリエーションがありすぎるため、個人の属性を考慮しなければできない所まできていると考えている。 - Q3-3:バグかな?と思うような結果が出ることがある。
新経路エンジンについても試している。
またQ3-2同様、属性を考慮することも必要だと考えている。 - Q4:多言語対応について、どのように考えているか?
オリンピックでのメインを目指したいと考えている。
そのため、やや利益度外視で取り組んでいる部分もある。 - Q5-1:ハードウェアに比重を置いていくことについて、どのような製品群を考えているか?
ハードウェアはインフラとして定着させ、データを吸い上げたり、やりとりできるようにしたい。
MVNOとデータセンターも準備しており、データを集約できるようにしたい。 - Q5-2:中国向けインフラ事業について、何をやろうとしているのか?
国内でやりきれないことをやる。(これ以上、メモが残っていません…) - Q5-3:サイネージ、遅延予測、VRなど、実証実験から製品化するのか?
もうちょっと実証実験の壁を破りたいと考えている。
例えばUberのように劇的にコストを下げられれば、誰でも使うようになる。
なお、実証実験については東京メトロなどからお金をいただいて実験している。 - Q5-4:売上高=利益剰余金というのは正直どうなのか?配当性向20%は高くないのでは?
まず、小さな会社の集合体でありたいというポリシーがある。
半分だと多すぎるため、1/3程度をジョルダンが貰うのが妥当と考えているが、失敗もあるので20%程度としている。(完全には理解できておらず、不正確かもしれません) - Q6-1:ウェルネットという決済代行会社も高速バスに力を入れており、バス定期の電子化などもやっているが、ライバルとみているか、提携先候補とみているか?
高速バスなどは組める所であれば、どことでも組もうと考えている。 - Q6-2:ハードウェアの事業では在庫などのリスクもある。どの程度までの損失リスクを取る方針で考えているか?
本当に行けると思えば、いくらでも出す。そのための現金はある。
基本的には経常利益が少し落ち込むくらい、具体的には1億~2億くらいは構わないと考えている。
Q5-1で「外国人については個人情報の適用がされない」ような話を聞いたような気がしましたが、調べてみたらそのようなことはなさそうなので、聞き間違いかもしれません。
この多、Q5-1~Q5-3辺りの話で、「自治体は成功事例がないとやってくれない(笑)」という話があり、興味深かったです。
所感
経営の業績としては主力の乗換案内が微減傾向にあり、また今期の利益増加も外部的な要因です。
全体としては先行きに不安を覚えますが、新規事業を見つけようとする姿勢は評価できます。
ジョルダンの経営近況報告会はどこか親近感の持てる感じですし、率直な意見が伝わってきてとても面白いです。
また役員の方は戦略やビジョンを持って取り組んでいることが伝わってきました。
現在株価は上がり気味ですが、経営業績を見るとなぜ上がっているのか分かりません…。
役員の方々はしっかりとした考えを持っているように感じられたので、長期的に投資するのも十分ありだと考えています。
もう少し割安になったら買い支える形で買い増しを検討しようと思います。