2017年3月27日(月)、IBJの株主総会に行ってきました。
株主総会の雰囲気
出席者は70人~80人程度でした。
二部構成になっており、一部は簡単な業績報告後、議案に関する質問のみ受け付けて採決に移りました。
実際には、議案に関する質問はありませんでした。
二部は成長戦略についての説明の後、様々な質問や提案などを受ける場となっていました。
成長戦略について
主に以下の内容が印象に残りました。
- IBJの会員数と実績
- 会員数 420,127人(2015年)→552,628人(2016年)
- 2016年の成婚は8,037組、そのうちお見合いが4,739組。
- 日本の結婚市場について
- 日本は世界的に珍しく、「平均結婚年齢<平均出産年齢」となっている
- 異性とは上手く付き合えない人が6.7%(1997年)→12.6%(2015年)
- 昨年の結婚件数は戦後最少
- 業界と差異化について
- 最近はヤフー、mixi、リクルート、サイバーエージェントなどによるマッチングアプリが乱立
- IBJは異性と上手く付き合えない人の結婚サポート(服装、会話、メールなど)に注力する
- アプリ系の会社は、コストがかかる結婚サポートなどはやりたがらない
- 会費が儲かるから成婚しなくてもいいや、という業者が多い
- IBJは期限を設定して成婚してもらうことを大事にしている
- パートナーエージェントの成婚=交際開始。IBJの成婚=婚約。サービスゴールが違う
- IBJはサポート費と成婚料が業界の中でかなり高い。それだけサポートに力を入れている
- 業界がレッドオーシャン化していることは認識している
- 婚活はハードルの高さがあり、75%の人を取れていない。婚活色を減らして、この75%を取りに行く。
- 最近はヤフー、mixi、リクルート、サイバーエージェントなどによるマッチングアプリが乱立
質疑応答
質疑応答はおおよそ以下のような内容でした。
なお、時間の都合で途中退室してしまったため、すべての質問をメモできていません。
- Q1:管理職や役員の女性比率は?
従業員の女性比率は65%、中でもカウンセラーはほぼ女性。
事業部長になった人もいるが、管理職はまだ15%程度。 - Q2:顧問相談役は?
作るつもりはないし、自分が退任しても会長などになるつもりはない。 - Q3:IBJのおかげで結婚できたので経験を活かしたい。働き方改革の動きもあり、週末だけ働いたりできないか?
カウンセラーは一部在宅勤務もいるが、個人情報の管理があるのでかなり慎重になっており、元正社員や経験者のみとしている。
また個人開業だと、加盟するのに120万かかってしまうのが現状。 - Q4:婚活パーティーでタブレットの不具合があった。トラブル対応力やマニュアルは?幹部はどのくらい把握しているか?
タブレットの不具合については申し訳なかった。
幹部へは、かなり小さなトラブルでも報告が入るようになっている。
マニュアルなどの改善については1~3ヶ月程度で案をまとめ、徹底したい。
婚活パーティは大きく拡大したが、そのためにサービスレベルが低下しているのではと危機感を持っている。
今年は婚活パーティを拡大させずに、サービスレベル向上に注力したい。 - Q5:システムリニューアルで、婚活パーティの参加者が見れなくなったのは改悪と感じているが?
リニューアルの内容についてはあまり把握していなかった部分もあり、後から一部改悪もあったと感じている。 - Q6:全体的にサーバが重いと感じる
社内エンジニアがついていけていない部分もあり、サービスを動かしながら必死になんとかしている状況。 - Q7:イベント型の婚活パーティについて、平日も開催できないか?
企画者はお金がかかるため、人数を集めなければならない点が厳しい。 - Q8:地方創生に婚活があり、予算もついているが、どのような状況か?
2,000万~3,000万でシステムの完全納品を希望される場合があるが、これは価格的に不可能。
そのため、パーティのノウハウを提供する方向で協力している。
利益率はよくないが、自治体と協力しなければできないこともあると感じており、実際に需要を掘り起こせた実感もある。
ただし予算消化のような本気度の低い自治体もあり、そういった案件は基本的にお断りするようにした。 - Q9:株価が低迷しているが、このままで良いのか?
自身が株価を決めるわけではないので答えられない。
ただ一個人としては、300円後半から800円台に行き、半値戻して現在の株価と考えれば妥当かもしれない。 - Q10:会員数が伸び悩んでいないか?
一部の事業では横ばいになりそうだと感じている。
業界の情勢を考慮し、無料会員を増やす戦略に切り替えた。 - Q11:旅行会社の取り込みはあまり利益にないと思われるが、提携の方が良かったのでは?
かなり優良な旅行会社を買収できたと思っている。
提携も検討したが、利益率の低い事業は提携だとやりづらいので、買収することにした。 - Q12-1:パートナーズエージェントの除名について、経緯は?
契約に「同様の連盟を立ち上げてはならない」とあるが、これに違反したため。 - Q12-2:パートナーエージェントのコネクトシップはどうか?
実は類似していないと認識している。
サービスゴールが異なる他、自社で扱えない会員のみ登録するなどしていた。
また、パートナーエージェントが抜けても成婚実績は変わらなかったので、ほとんど影響がないと見ている。 - Q12-3:ゼクシィのブランド力への対抗は?
(聞けませんでした)
質疑応答については誠実な対応だったように感じられました。
お土産
銀座菊廼舎の、冨貴寄をいただきました。
所感
結婚市場のビジネスは典型的なプラットフォームビジネスの一つですが、成婚させることが二の次になっていないかが特に気になっていました。
今回の株主総会を見る限り、IBJは成婚させることをしっかりと目標に定めており、非常に好印象でした。
また業界の動きやアプリ会社の考え、IBJの立ち位置を正しく理解しており、成長戦略についても極めて真っ当であるように感じました。
IBJの株は様子見で100株だけ購入していたのですが、折を見て追加購入したいと思います。